分光光度計をはじめてお使いの方へ
ティアンドティの分光光度計に興味をもってくださり、ありがとうございます。
可視分光光度計SP-808は、測定領域を「可視光」を限定することで、業界初の低価格を実現しました。
分光光度計というと高価な分析機器というイメージがありますが、可視領域でも十分、環境分析や水質検査に使っていただけます。もっと多くの方に、身近に使っていただきたいと考えていますので、どうぞご覧ください。
分光光度計の使用用途としては、大きく3つあります。
溶液の濃度を測定する(検量線法による定量分析) |
濃度が分からない試料を、あらかじめ濃度の分かっている溶液と比べて濃度を測定します。 この方法では、試料全体の濃度は分かりますが、多くの場合、“水道水に含まれる塩素濃度が知りたい”など、試料に含まれる特定の物質の濃度を測りたいことでしょう。 その場合、濃度を測りたい物質に、前処理として色をつけます。 その色の濃度を、分光光度計で測ることで「特定物質の濃度を計測」できます。 これを、比色分析といいます。 |
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物質の特徴を測定する | 各物質は、それぞれ特有の「スペクトル」を持っています。例えばある商品が、UVカット機能を本当に有するのかどうか、スペクトルを比較すると分かります。 |
分子の構造がわかる | 分子はそれぞれ、特徴のあるスペクトル(位置、強さなど)を持っています。 |
これらの、最もシンプルな「溶液に含まれる特定の物質の濃度を知りたい」という比色分析のニーズに応えるのが可視分光光度計SP-808です。
従来、高性能&高価格であった分光光度計を、一般用途に絞ることで低価格を実現しました。
低価格といっても、性能が劣るという意味ではありません。
弊社が長年センサー開発で培った技術を、「可視分光光度計」に応用し、実現した価格です。
工場分野では、メッキなど生産工程における薬液の濃度管理、食品分野では、ウィスキーや日本酒の品質管理、塩素濃度の管理など、濃度による品質管理を行いたい場合に適しています。
分析は、物質ごとに使用する試薬(前処理に使う物質)や、測定手順がJISで定められています。
最初は理解が難しいかもしれませんが、同じ物質の濃度を繰り返し計測するという用途では、すぐに慣れるでしょう。
導入にあたっての計測方法は、弊社の専門家が指導を行いますので、ご相談ください。
分光光度計の貸出しについて
可視分光光度計と紫外分光光度計
光は電磁波の一種です。波長が200〜400nmの範囲を紫外(UV;UltraVolet)、400〜800nmの範囲を可視(VIS;Visible)、800nm〜1nm付近を赤外(IR;InfraRed)と呼びます。人の目に見えるのは、名前のとおり「可視」の部分のみです。
物に色がついて見えるというのは、どういうことでしょうか?
例えば、りんごが赤く見えるのは、可視光のうち赤色だけがりんごに吸収されずに反射したということです。
このように、色というのは「波長」によって決まっており、
どのような物質が、どの波長を透過あるいは反射させるか分かっています。
分光光度計では、分光器と言われる「光から特定の波長を取り出す」部分と、
分けた光を試料に当てて、「光の弱くなる程度を測定する部分」(光度計)からなっています。
濃度が濃くなるほど、試料に光をあてたときの「透過率」は下がりますので、
1.試料に特定の波長ををあてて
2.どれくらい透過するか によって測定を行います。
可視分光光度計は、この取り出せる光が可視光に限っており、
紫外分光光度計は、可視+紫外領域が扱えます。
これまで、可視分光光度計も、紫外分光光度計も、弊社価格帯の製品がありませんでした。
従来のように高度な研究分野ではなく、企業内で、学校内で、研究室でも一人一台、
パーソナルな分光光度計としてご利用いただけます。